反政府勢力の襲撃で民間人200人以上が死亡か エチオピア中部の町
(CNN) エチオピアからの情報によると、同国中部オロミア州の町ジンビが18日、反政府武装勢力「オロモ解放軍(OLA)」に襲われ、民間人少なくとも200人が死亡した。
政府系のエチオピア人権委員会(EHRC)が20日に発表したところによると、この地域で数日前に起きた政府軍とOLAの衝突に関連した襲撃とみられ、多数が負傷、複数の村落が破壊された。
目撃者らが警官に語ったところによると、政府軍が去った後、村を通過しようとしたOLAのメンバーらを住民や武装集団が妨害したことから襲撃に発展した。
現在は政府軍がこの地域を掌握しているが、住民らは今も危険を感じ、支援を求めているという。
OLAは関与を否定している。同勢力の報道官は19日、アビー首相側が「撤退する自軍兵士の残虐行為をOLAのせいにしている」と主張した。
エチオピアは多民族国家、多宗教、多言語の国家で、オロモ族とアムハラ族が全人口の6割以上を占める。3番目のティグライ族は約7%前後。
OLAはオロモ族の反政府武装勢力で、エチオピア政府の定めるテロ組織に指定され、昨年からティグライ族の反政府勢力とも手を結んでいる。これまでアムハラ族を狙った攻撃を繰り返してきたとされ、地元警官の話によれば18日の襲撃による犠牲者もほとんどがアムハラ族だった。
現在の内戦は2020年、北部ティグライ州から始まった。政府が隣接するアムハラ州の勢力とともに、ティグライ族を主体とする「ティグライ人民解放戦線(TPLF)」の掃討に乗り出したのがきっかけ。TPLFは18年のアビー政権発足まで、エチオピアの政権を掌握していた。ただし、18日の襲撃にTPLFが関与したことを示唆する事実はない。