混乱続くスリランカ、13日の抗議デモで75人負傷 国立病院
(CNN) 経済危機に端を発する混乱が続くスリランカで13日、抗議デモにより少なくとも75人が負傷したことが分かった。最大都市コロンボの国立病院が明らかにした。
負傷者のうち42人は首相官邸を襲った際に負傷。33人は議会付近での抗議行動でけがを負った。
スリランカ警察はこの日、デモ隊を解散させるために催涙ガスを使用した。病院の看護師によると、搬送者の多くは催涙ガスを吸引した人で、フェンスを跳び越えようとして切り傷や打撲を負った人もいるという。
スリランカでは深刻なインフレで生活必需品の値段が高騰。外貨準備高は記録的な低水準に落ち込み、食料や医薬品、燃料など必需品の輸入に使うドルがなくなりつつある。
政府は週4日勤務を導入するなどして危機緩和に取り組んできたものの、ウィクラマシンハ首相は今月5日、国の「破産」を宣言した。
抗議行動が激化する中、9日には人々が大統領公邸に突入し、大統領の辞任を要求。直近ではラジャパクサ大統領がモルディブに逃亡し、ウィクラマシンハ首相が大統領代行に指名された。国民は現在も街頭での抗議を続けており、誰が実権を担っているのか、今回の混乱がどういった結果を迎えるのか不透明感が強まっている。