英保守党党首選、スナク氏とトラス氏の決戦に
ロンドン(CNN) ジョンソン英首相の後任を決める与党保守党の党首選で、20日、5回目の投票が行われ、スナク前財務相とトラス外相の2人に候補者が絞り込まれた。
ジョンソン氏は今月、数々のスキャンダルから政権幹部の辞任が相次いだことを受けて党首辞任を表明。後任には10人が名乗りを上げ、候補者を絞り込む投票が進んでいた。
5回目の投票ではスナク氏137票、トラス氏113票、モーダント前国防相105票となり、モーダント氏が脱落した。
スナク氏はツイッターに「同僚が今日私を信頼してくれて感謝する。昼夜を問わず我々のメッセージを国中に届ける」と投稿した。
トラス氏もツイッターに「私への信頼に感謝する。第1日目から全力で取り組む用意がある」と書き込んだ。
今後は約16万人の党員も選挙に参加して、9月5日までに新党首が決まる。
スナク氏、トラス氏ともジョンソン政権の一員を担っており、政権崩壊の原因となったスキャンダルに足を引っ張られる可能性がある。
スナク氏は以前から党首選の筆頭候補とみられていた。ジョンソン政権では2020~22年に財務相を務めた。ただ、最近はインド在住の億万長者である妻の納税に関する疑惑で圧力にさらされている。
スナク氏はまた、党の内外から批判にさらされる可能性もある。野党からは、新型コロナウイルス流行下でロックダウン(都市封鎖)中に首相官邸のパーティーに参加し、罰金を受けた人物として批判されたり、保守党副幹事長の絡む直近のスキャンダルまで続投した点を追及されたりする可能性がある。党内からは、スナク氏の辞任がジョンソン政権崩壊の引き金となったとして、ジョンソン氏の支持者から反発を食らう恐れもある。
トラス氏はジョンソン政権で外相を務め、政権が終わる9月まで続投する。スキャンダルが相次いでもジョンソン氏を支え続け、直近のスキャンダルではロシアのウクライナ侵攻への対応で調整役を担っているとして自身の続投を正当化した。
トラス氏は党内でジョンソン政権の後継者とみられていて、ジョンソン氏の最側近の一部が支持をしている。ただ、それは同時にトラス氏がジョンソン氏と距離を置くことの難しさも物語っている。