イタリア大統領、上下両院を解散 首相の辞任受け
ウクライナへの打撃
ドラギ氏はロシアのウクライナ侵攻に対する西側の対応形成で、重要な役割を果たしていた。対ロシア制裁を最も早く唱えた欧州首脳の一人であり、ロシアのオリガルヒ(新興財閥)や中央銀行を対象とした制裁も提案した。
ウクライナの欧州連合(EU)加盟候補国入りも支援。先月には他の欧州諸国の首脳とともにキーウを訪れゼレンスキー氏と会談し、支援の姿勢を強調した。
一方、イタリア国内では対ロシア制裁やウクライナへの支援に反発が高まっている。
ドラギ氏は辞任前の最後の演説で上院に対して、イタリア政治の混乱はロシアに好機を与えうると警告。「我々の政治や社会にロシアが介入するのを阻止する必要がある」と述べた。
ロシアが注視
イタリアのディマイオ外相は米政治専門サイト「ポリティコ」に、ドラギ氏の政敵はロシアに好機を作り出したとの考えを示し、「ロシアはまた一つ西側の政府が陥落したと祝っている」と語った。
さらに「我々は(ウクライナに)武器を送れるのだろうかと疑問に思っている。多くの重大な問題の一つだ」とも述べた。
権力の座を狙う者の中には、プーチン氏に同調する人もいる。選挙後には同国の対ロ姿勢が変化する可能性もある。
同盟のサルビーニ党首は何度もモスクワを訪れており、赤の広場でプーチン氏の顔が描かれたTシャツを着て自撮りした写真で有名だ。中道右派連合にいるプーチン氏の盟友、ベルルスコーニ元首相も西欧の同盟を揺るがす可能性がある。