バーンズ氏は「とても活発な、論争的と言ってもいい協議だった」と振り返り、この時の議論の内容を初めて詳しく明らかにした。
「私はペロシ氏を擁護し、彼女の台湾訪問の権利を擁護した。60年近く続く台湾海峡の平和と安定を擁護した」(バーンズ氏)。バーンズ氏は謝氏に対し、中国政府が「平和と安定を促進する」行動を取ると保証するよう迫ったという。
だが、中国政府が取った対応は、台湾上空へのミサイル発射などで「台湾当局に脅しと威圧」をかけるというものだった。さらに、台湾海峡の安定を損なった責任は米国にあるとする「世界的なキャンペーン」を展開した。
バーンズ氏は「我々は(米国の政策の維持について)非常に明確にしてきた。問題は、ある一つの政府が攻撃的かつ暴力的に反応して平和を乱すのか、ということだ。これは世界全体にとって懸念すべきことだ」と指摘した。
米国は「一つの中国」政策を維持しているが、台湾に主権が及ぶとする中国共産党の主張を受け入れたことは一度もない。中国の攻撃があった場合に台湾を防衛するかどうかに関しては「戦略的曖昧(あいまい)さ」を保っている。