ロシアの核投入の脅威増大も実行の可能性少なし 米分析
(CNN) 複数の米政府当局者は28日、ウクライナ情勢に触れロシアのプーチン大統領が戦術核兵器を投入する可能性は軍事侵攻が始まって以降、多分最も高い局面にあるとの見方を示した。
ただ、実行に移すことは依然ありそうもないともつけ加えた。最新の諜報(ちょうほう)に通じている政府当局者がCNNに明らかにした。
米情報機関などは、プーチン氏が先週、核兵器使用を過去の威嚇より強い調子でほのめかして以降、同氏の思惑や計算に変化があったのかの兆候を注視している。
米政府はここ数カ月間、非公式の接触手段を通じてロシア側に核兵器使用の破滅的な行動に出ないよう警告していたことも判明していた。
米政府当局者は、ロシアが核兵器使用を差し迫った形で計画している兆候はなく、この問題に関する「一般的な評価も変わっていない」と指摘。複数の米国防総省当局者も現段階でロシアが核兵器を動かしている形跡もないと説明した。より小型の戦術核弾頭さえ米国はその移動を探知し得るだろうとも予想した。
ロシアの一部の軍事アナリストたちは、プーチン氏の動員令の発動は実際には、戦術核兵器を選ぶ事態も起きかねない短期的なリスクを減らす可能性があるともみている。ウクライナでの兵員補充を狙った動員令は通常戦争を維持するプーチン氏の選択肢を長引かせることにつながるためだ。
米政府当局者によると、ロシアがウクライナで戦術核を用いる脅威は以前と比べより高くなっているとの米政権内の一般的な判断は主に、ウクライナでロシア軍が劣勢に追い込まれているなかでプーチン氏の言動や考え方の分析に基づいている。ロシアが核兵器利用をより真剣に検討しているとの確かな諜報に頼っているわけではないとも述べた。