ザポリージャ原発、所長交代へ ロシア軍に一時拘束
(CNN) 国際原子力機関(IAEA)は4日、ウクライナ中南部のザポリージャ原子力発電所のムラショフ所長が職務を継続しないと明らかにした。ムラショフ氏は、ロシア軍に一時拘束されたが、その後、解放されていた。
ウクライナ国営原子力企業「エネルゴアトム」のトップ、ペトロ・コティン氏は1日、所長が見回り中のロシア軍兵士に拘束されたと発表していた。IAEAは3日、ムラショフ氏が家族のもとに無事に戻ったことを確認したと発表した。
IAEAは4日、声明を更新し、「IAEAはムラショフ氏が現在は家族と一緒にウクライナの支配地域にいて、ザポリージャ原子力発電所での職務を継続することはないことを理解している」と述べた。ムラショフ氏の後任は未定だという。
IAEAは、ムラショフ氏が「このような形で職務を離れたことは、原発の安全と治安を確保するための意思決定に対して、即時かつ深刻な影響を与えた」と述べた。
ザポリージャ原子力発電所は欧州最大規模の原発で、ロシアによるウクライナ侵攻後、ロシア軍の占領下にある。
ザポリージャ原子力発電所や、近郊のエネルホダル市を含む周辺地域ではこの数カ月、砲撃が続いている。ウクライナとロシアは砲撃について互いを非難している。
IAEAのグロッシ事務局長は週内にもウクライナ首都キーウとロシア首都モスクワを訪問する予定。可及的速やかに、ザポリージャ原子力発電所周辺の安全保護区域について合意し、設置することを目指すための協議を行う。