中国・新疆、コロナ対策で自治区外への移動が禁止に
(CNN) 中国の新疆ウイグル自治区はこのほど、新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるために自治区の外への移動を禁止すると発表した。同自治区では長期に及んだ厳しいロックダウン(都市封鎖)措置が、最近緩和されたばかりだった。
新疆ウイグル自治区では4日、無症状の新規感染者38人が報告された。自治区の劉蘇社副主席はこれを受けて、他地域への感染拡大を防ぐため、空港や鉄道駅、検問所での移動制限を強化すると表明した。
航空情報サイトによると、区都ウルムチの空港では5日、出発便の97%、到着便の95%が欠航となった。自治区南部の都市カシュガルの空港でも、ウルムチ行きの2便を除くすべての出発便がキャンセルされた。
果物の露店の買い物客は規制線の外に立つ=5日、ウルムチ/Str/Reuters
中国政府は今も、感染拡大を徹底的に抑える「ゼロコロナ」政策を堅持している。特に今月開催される重要行事の共産党大会に支障が出ないよう、各地の当局者らは神経をとがらせてきた。
新疆ウイグル自治区で7月30日以降に報告された感染者は5790人。区内の多くの地域では8月から9月にかけ、住民の外出を禁止する厳格なロックダウンが続いた。食料や医薬品が不足する事態となり、9月初めにはウルムチ市の当局者が不手際を謝罪した。
現地からの情報によると、同市では先週から、食料品を買うための外出が1日3時間まで許可されるようになったが、市外や市内の他地区への移動は禁止されたままだったという。
同自治区で長年、少数民族の締め付けに使われてきた監視システムが、現在はインターネット上でコロナ規制を批判する住民らの追跡に流用されている。警察からの電話や戸別訪問で、批判的な投稿の削除を求められるケースもあるという。