ロシア、ヘルソン市民に退避指示 東郊の部隊が撤退か
(CNN) ウクライナ南部ヘルソン州を支配する親ロシア派当局は22日、ドニプロ川西岸にある州都ヘルソン市の住民に対し、ただちに川を渡って東岸へ退避するよう指示した。
当局はSNS「テレグラム」への投稿で、「前線の緊迫した状況と市内への大規模砲撃の危険性、テロ攻撃の脅威」を理由に市民全員の退避を命じ、「書類や現金、貴重品、衣類を忘れずに」と呼び掛けた。
親ロシア派当局はウクライナ軍の反転攻勢を受け、数日前から市民ら6万人の避難計画を進めていた。ウクライナ当局者らによれば、ヘルソン市の人口は20日の時点で当初の約半分、約13万人まで減っていた。
ウクライナ側は民間人への脅威を否定し、ロシアの退避指示が根拠のない「ヒステリー」を招いていると非難する。
ウクライナ軍参謀本部は22日、ヘルソン市内で略奪や強盗の報告が増えていると指摘。「占領勢力が地元住民の車を奪ったり、フェリーを使ったりして市外へ逃げようとしている」と述べた。
ウクライナ軍はまた、ロシア軍がヘルソン市から北東へ100キロほど離れた集落2つから撤退中だと発表した。同市東郊の町からも、軍将校や医療要員が退避したという。
CNNはヘルソン市内の略奪やロシア軍撤退の動きについて、独自に真偽を確認できていない。