国連仲介の穀物輸出合意、継続に疑問符 ロシア外相
(CNN) ロシアのラブロフ外相は24日、国連が仲介した穀物輸出の合意について、11月に期限切れを迎える前に多くの作業があるとして、継続に疑問を投げかけた。
ラブロフ氏はロシア首都モスクワで行われたイスラム諸国でつくるイスラム協力機構(OIC)の共同記者会見で発言した。
国連が仲介した合意によって、ウクライナは8月から黒海の港湾を経由して穀物の輸出を行っている。ウクライナは小麦生産の主要国のひとつ。
ラブロフ氏によれば、ロシア政府は国連に対し、トルコ・イスタンブールにある監視センターを通過しなければならない輸出が世界の最貧国に向けられたものであるという証拠を提示することを求めている。ラブロフ氏はこれまでも国連に対し、輸出された穀物の最終目的地に関するデータを要請していた。
ラブロフ氏によれば、ロシア側の理解では、輸出された穀物の5~7%しか最貧国には届いておらず、残りは欧州連合(EU)諸国に向かっている。
ラブロフ氏は、欧州諸国からは、ウクライナの穀物の大部分を受け取っているものの、その後、穀物は最貧国を含む世界各地に分配されるとの説明を受けていると述べた。そのため、ロシアが、すべてのデータを保有している国連に対して、最終目的地までの穀物の移動に関する統計資料の提供を求めたとしている。
ラブロフ氏は、国連に要請したデータが、ロシアが輸出合意を継続するかどうかの判断材料になると付け加えた。
ラブロフ氏はまた、ロシアの食料と肥料を世界市場に供給することに関する合意部分について、「実質的に実行されていない」として不満を表明した。ラブロフ氏は、ロシア企業に対する制裁の免除や、ロシア船の欧州での自由な入港や外国船のロシアへの自由な入港を保証する必要があるとした。肥料や穀物の世界市場への供給に関して主要な金融機関であるロシア農業銀行に対する制裁が重要な問題のひとつだとも指摘した。