大学の「ブラジル人」研究員、ロシアのスパイだった疑い ノルウェー警察が逮捕
(CNN) ノルウェーのトロムソ大学に研究員として勤務していた男が24日、密かにロシアのスパイとして活動していた疑いで、ノルウェー警察に逮捕された。公共放送のNRKが伝えた。
ノルウェー警察の話としてNRKが伝えたところによると、逮捕された男はブラジル人を自称しているが、身分を偽っている疑いがあり、実際にはロシア人の可能性がある。
ノルウェー国家公安警察(PST)は、この男が国益を脅かす恐れがあるとして、ノルウェー国外への追放を求めたことを明らかにした。
男はノルウェー北部地域の政治に関する情報を入手していた可能性があり、そうした情報がロシアに悪用される恐れがあるとPSTは話している。
PSTのツイッターによれば、男は基本的な国益や他国の安全保障上の利益を損なう恐れがある「違法情報」を扱ったとして、刑法違反の疑いで拘束された。
男の氏名は公表されておらず、PSTは他国の情報機関と緊密に連携して捜査を進めているとした。
ロシア大使館はNRKの電子メール取材に対し、この事件をめぐる状況については認識していないとした上で、「ロシア人は何もかも怪しく、スパイの臭いがする」とみなすノルウェー国内の「スパイ妄想」の一環と形容した。
NRKによると、今回の事件は出入国関連の事件として扱われているが、男の弁護士は「根拠に同意できない」として拘束に反対。「これまでのところ、確固たる情報がほとんど伝えられていない」と訴えている。
ロシアをめぐって英対外情報部(MI6)のリチャード・ムーア長官は7月の時点で、ロシアが2月にウクライナに侵攻して以来、外交を装って活動していたロシアの情報要員400人以上が欧州諸国から追放されたと述べていた。