ロシア、穀物輸出合意への参加停止を発表 「クリミア攻撃に対抗」
(CNN) ロシア国防省は29日、ウクライナからの穀物輸出を再開させた合意への参加を停止すると発表した。
ロシアが実効支配するウクライナ南部クリミア半島のセバストポリで同日、黒海上に設けた「穀物回廊」の安全確保にかかわっているロシアの黒海艦隊と民間船がウクライナの「テロ攻撃」を受け、これに「英国の専門家」が加担したことへの対抗措置としている。CNNはロシア側の主張について、独自に真偽を確認できていない。
ロシア外務省も、同国が合意への参加を「無期限」に停止したと発表した。
ウクライナ大統領府のイェルマク首席補佐官は29日、SNS「テレグラム」への投稿で、ロシアがクリミアで自国の施設に対する「架空のテロ攻撃」をねつ造し、ウクライナを「脅迫」していると主張。ロシアによる「核の脅迫、エネルギーの脅迫、食料の脅迫」を非難した。
英国は無人機攻撃への関与を否定し、ロシアが「とんでもないうその主張をばらまいている」との見方を示した。
ロシアがウクライナ侵攻で黒海を封鎖した後、同国とウクライナの間では7月、国連とトルコの仲介で、ウクライナからの穀物輸出を再開させる合意が成立していた。
合意は来月11月22日に期限切れを迎える。ロシアのラブロフ外相は最近、その後の継続に疑問を投げ掛け、プーチン大統領も回廊が「テロ攻撃」に使われるなら封鎖すると警告していた。
一方でウクライナのインフラ相は今月初め、回廊の運用は期限後も続くとの見方を示していた。
国連の報道官は29日、CNNとのインタビューで、ロシア側の停止表明を受けて同国当局と連絡を取っていると述べた。