ソウル各地の警察署に強制捜査、雑踏事故で 数時間前から通報も
(CNN) 韓国・ソウルでハロウィーンイベントの最中に156人が亡くなった雑踏事故で、捜査当局は2日、ソウル各地の警察署の強制捜査を行った。
ソウル警察庁によると、捜査員が警察署など8カ所を捜索し、内部報告書や市民からの緊急通報に関する書類を押収した。捜索を実施したのは韓国警察庁が前日に立ち上げた特別捜査班。
捜索の対象には事故現場となった繁華街の梨泰院(イテウォン)を管轄する竜山警察署も含まれた。
梨泰院に集まる救急隊員や警察官=10月30日/Anthony Wallace/AFP/Getty Images
捜索は韓国当局に市民から圧力や憤りの声が寄せられる中で行われた。群衆管理がほとんど、あるいは全く行われていなかったとの目撃証言もある。警察には事故のかなり前から通報が寄せられていた。
事故は先月29日、狭い路地で発生した。巻き込まれた人は、幅4メートル以下の通りに大勢の人が集まり、動くことも呼吸することもできなかったと証言。最初の死者が報告される数時間前に、市民から密集に関する通報が寄せられていたことも明らかになった。
韓国警察庁がCNNに提供した記録によると、事故の4時間前から、群衆が圧死する可能性を懸念する通報が少なくとも11件寄せられていた。
梨泰院の事故現場を警備する警察=10月30日/Jung Yeon-Je/AFP/Getty Images
最初の通報があったのは午後6時34分で、通報者は「非常に危険なように見える。人々が押しつぶされるのではないかと心配だ」と警告している。
この2時間足らず後には、狭い路地に大勢の人が密集しているため、転倒して負傷する人が相次いでいるとの通報もあった。
韓国警察庁の尹熙根(ユンヒグン)長官は1日、メディアの取材に対し、警察の対応に不備があったことを初めて認めた。
頭を下げる韓国警察庁の尹熙根長官=1日/Heo Ran/Reuters