パレスチナ武装集団、イスラエル人少年の遺体を病院から強奪 遺体交換を要求
(CNN) ヨルダン川西岸ジェニンで23日、パレスチナの武装集団が病院を襲撃し、西岸の自動車事故で死亡したイスラエル人少年の遺体を強奪した。双方の当局者が確認した。武装集団は奪った遺体と引き換えに、イスラエル軍に殺害されたパレスチナ人の遺体の返還を要求している。
イスラエル国防軍の発表によると、被害に遭ったティラン・フェッロさんは、22日の自動車事故に巻き込まれて死亡した。フェッロさんは少数派のドゥルーズの出身だった。
フェッロさんの父はイスラエルのメディアに対し、息子はまだ生きていて、病院でパレスチナの武装集団が生命維持装置を外したと訴えている。
一方、ジェニンの当局者は、遺体が奪われた時点でフェッロさんは死亡していたとCNNに語った。
ヨルダン川西岸の難民キャンプを拠点とするパレスチナ武装集団「ジェ二ン旅団」は声明を発表し、フェッロさんの遺体があることを確認。イスラエル軍に殺害され、イスラエルが保管しているパレスチナ人全員の遺体を引き渡すよう要求した。同時に、イスラエル軍によるジェニン難民キャンプ急襲が予想されるとして、メンバーに警戒を促している。
イスラエルのヤイル・ラピド首相は23日、フェッロさんの遺体が返還されなければ「誘拐犯は重い代償を支払うことになる」と警告した。ラピド首相によると、フェッロさんは24日が18歳の誕生日だった。
国連のトール・ウェネスランド中東和平プロセス特別調整官は、フェッロさんの遺体をイスラエルに返還するよう求め、パレスチナ側との交渉に当たっている。