呼吸不全で酸素吸入の患者、停電は命の危機 ウクライナ首都キーウ
(CNN) ロシアによる電力網への攻撃で停電が繰り返されるウクライナの首都キーウ(キエフ)で、呼吸不全の患者が恐怖におびえている。酸素吸入器の電源が喪失すれば息ができなくなり、命の危機に直結するからだ。
キーウ市内に住むオレナ・イサイェンコさん(49)は自力でうまく呼吸ができず、常に酸素吸入器を着けて生活してきた。
ロシアの攻撃で長時間の停電が繰り返されると、そのたびに死の恐怖に襲われる。
電源が切れた時に聞こえる警告音は、街にたびたび響く空襲警報よりも恐ろしい。酸素の供給が止まれば生きていられないからだ。生命維持のために医療器具を装着するウクライナ人の多くが、同じように感じている。
オレナ・イサイェンコさんは停電になって吸入器が止まり呼吸できなくなることが怖いと語った/Peter Rudden/CNN
CNNのインタビューを受けるイサイェンコさんの顔には、酸素を運ぶ緑色の管が走っている。
夫と暮らす集合住宅の15階では、停電になるとエレベーターが止まり、防空シェルターまで降りていくことができない。だがそれより心配なのは酸素吸入器の電源だ。
警告音を聞くと、集中治療室(ICU)で機器に囲まれていた時のことを思い出す。それはまるで、死を意味する平坦な心電図のような音だと、イサイェンコさんは訴えた。