伊マフィアのボス、30年逃亡の末シチリア島で逮捕
ローマ/ミラン(CNN) イタリア検察は16日、シチリア島に拠点を置くマフィアのボスの一人を逮捕したと発表した。同国で最重要の部類に入る指名手配犯だとしている。
パレルモにある診療所で治療していたところを逮捕されたマテオ・メッシーナ・デナーロ容疑者は、1993年から逃亡中だった。欧州刑事警察機構(ユーロポール)からは欧州での最重要指名手配犯の一人と目されていた。イタリア検察がCNNに明らかにした。
同国のメローニ首相はツイッター上で「国家の偉大な勝利。マフィアを前にしても屈服しない姿勢を見せつけた」と述べた。また検察当局の前で発言し、マフィアとの「戦争」にはまだ勝利していないものの、今回の逮捕は「勝利のために欠かせない戦いだった」と指摘した。
デナーロ容疑者はマフィア関連の殺人数十件について命令を下したと考えられており、本人不在のまま複数回の終身刑を言い渡された。中でも92年、マフィア捜査を指揮していた検事2人の殺害への関与を巡る裁判がよく知られている。マフィア組織「コーザ・ノストラ」のボスとして、最も長く逮捕を逃れた人物となっていた。
現地時間の午前10時前後に実施された身柄の拘束には、100人を超えるマフィア捜査担当の特別捜査員が関わった。逮捕現場となった診療所は形成外科手術などで知られるが、デナーロ容疑者がどのような治療を受けていたのかは不明。伊警察は同容疑者をどこで拘束しているのか明らかにしていない。