欧米からの戦車供与は計300両超 駐仏ウクライナ大使が見通し
(CNN) ウクライナに欧米諸国から供与される戦車は計300両を超えるとの見通しを、同国のオメリチェンコ駐仏大使が明らかにした。
オメリチェンコ氏は27日、CNN提携局の仏BFMテレビとのインタビューで、同日までに多数の国が計321両の供与に同意したと述べた。供給元の国名や型式の内訳には言及しなかった。
これまでに米国が主力戦車「M1エイブラムス」31両、ドイツも主力の「レオパルト2」14両の提供を決めた。英国はすでに主力「チャレンジャー2」14両を送り込むと表明。ポーランドは保有するレオパルト2の供与を承認するようドイツに要請している。
オメリチェンコ氏は、戦車がウクライナに届く時期は供給元や型式によって異なり、欧米諸国との次回協議で調整すると述べた。一方で「できるだけ速い」支援が必要だと訴え、8~9月では遅すぎると強調した。
ウクライナ軍は、ロシア軍が第2弾の攻撃を2カ月以内に計画中とみて警戒している。
これまでの戦闘では、米国が供与した高機動ロケット砲システム「HIMARS(ハイマース)」などが大きな効果を上げてきたが、戦車は最も強力な直接攻撃兵器になると、専門家らは指摘する。
欧米からの戦車供与について、北朝鮮の金正恩総書記の妹、金与正(キムヨジョン)朝鮮労働党副部長は27日、北朝鮮メディアを通した声明で、米国と同盟諸国が「さらに一線を越えた」と非難。米国はロシア打倒に向けた代理戦争をさらに拡大することで、覇権的目的を達成しようという「邪悪な意図」を持っていると主張した。
さらに、欧米は「天文学的な金額」の軍事装備をウクライナに渡して世界の平和と地域の安全を損なっているとも語り、ロシア国民との連帯を表明した。