モスクでの爆発、死者92人に パキスタン北西部
パキスタン・イスラマバード(CNN) パキスタン北西部ペシャワルにあるモスク(イスラム教礼拝所)で30日に発生した爆発について、死者が少なくとも92人に増加した。近年の同国で最も多くの犠牲者を出した攻撃の一つとなった。
地元当局者が死者数を確認した。80人余りが依然として病院で手当てを受けているという。
警察の敷地内にある当該のモスクは、爆発で完全に破壊された。参列者の大半は警察官で、夕方の祈祷(きとう)に集まっていた。
爆発に遭ったものの一命をとりとめた警察の当局者の1人、ナサルラー・カーンさんは、燃え上がる炎を目にした後、立ち上る黒い粉塵(ふんじん)が周囲を取り巻いたと振り返る。脚を負傷したまま、がれきの中で3時間身動きできなかったという。
「天井が落ちてきた。天井と壁の間にいたおかげで命が助かった」(カーンさん)
30日にはパキスタンの反政府武装勢力「パキスタン・タリバン運動(TTP)」の関係者2人が声明を出し、爆発を昨年のTTP戦闘員殺害に対する「復讐(ふくしゅう)」と主張していた。しかしこの後、TTPの主要な報道官が爆発への組織の関与を否定。モスクや墓地など神聖な場所への攻撃は組織内で違法とされていると説明した。
パキスタン当局は現在捜査が行われているとしつつ、TTPの関与を巡ってはここまでどちらの主張も確認していない。地元警察幹部は爆発について「おそらく自爆攻撃によるもの」と述べていた。