パキスタン全土で停電、2億2000万人近くに影響
イスラマバード(CNN) パキスタンで23日、全国規模の停電が発生し、2億2000万人近くが影響を受けた。同国は今冬燃料不足に悩まされ、停電はさらなる混乱につながる恐れがある。
エネルギー省は声明で、初期の報告によれば電力網が現地時間午前7時34分にダウンし、電力システムの広範な機能停止を引き起こしたと発表した。
同省によれば、システムのメンテナンス作業が急速に進められている。首都イスラマバードや北西部ペシャワルでは「限られた数の電力網」で電気が復旧したという。
停電がいつまで続くかは不明。
ぜい弱な経済状況にある同国は、深刻なエネルギー危機などいくつもの課題を抱えている。
シャリフ首相は今月、全ての連邦機関にエネルギー消費量の3割削減を指示した。政府は全ての市場に午後8時半、レストランに午後10時までの閉店を命じた。
エネルギー使用量削減の背景には、外貨準備高の危機的な落ち込みがある。中央銀行によれば、先月、流動性のある外貨準備高は117億ドル(約1兆5000億円)と、昨年年初の約半分となった。
23日の停電は2021年に発生した停電以降で最大規模のものとなる。21年には「送電システムの周波数の急激な落ち込み」の後に全土で数時間の停電が起きていた。