パキスタン、陸軍トップにムニール中将を指名 情報機関元長官
パキスタン・イスラマバード(CNN) パキスタンは24日、情報機関元長官のアシム・ムニール中将を陸軍トップに指名した。パキスタンでは軍の影響力をめぐる激しい議論が起きる中、ここ数週間にわたりトップの人選に関する臆測が飛び交っていた。
ムニール氏はパキスタンで最高位の将官で、3軍統合情報局(ISI)の長官を務めた人物。今月29日に退任するカマル・ジャビド・バジュワ陸軍参謀長の後任となる。陸軍参謀長のポストの任期は通常3年だが、バジュワ氏は6年間にわたり務めた。
ムニール氏の昇格についてはシャリフ首相とアルビ大統領が24日に承認した。これを受け、今後はムニール氏がパキスタンの核兵器運用を監督することになる。
パキスタンは1947年の建国以来、何度もクーデターを経験しており、軍の将官によって統治されていた時期も長い。パキスタン軍は政治への干渉を批判されることが多く、新たな陸軍トップの指名はしばしば大きな政治問題となる。
ムニール氏の指名には4月に退任したカーン前首相の支持者から異論が出る可能性がある。カーン氏は経済失政への批判が高まる中、政界の主要協力者や軍の後ろ盾を失って失脚した。
ムニール氏はカーン氏の首相在任中にISI長官を解任された。カーン氏は、パキスタン軍とシャリフ氏が米国と共謀して自身を退任に追い込んだと証拠を示さずに主張。11月上旬の政治集会で銃撃され負傷した後には、やはり証拠を示さずに、軍情報機関の高官が自身の暗殺を企図しているとも主張した。
パキスタン軍と米当局はカーン氏の主張を否定している。