まるで「ゾンビ映画」、ウクライナ軍兵士が語るワグネルとの戦い
アンドリーさんはこの技術者に向かって、戦場で殺されるのが分かっていても、ロシアで自らの自由のために戦うのは恐ろしいのだろうと告げた。
技術者は「その通りだ。我々はプーチン(大統領)を恐れている」と、答えたという。
CNNは、ワグネルを経営するオリガルヒ(新興財閥)のエフゲニー・プリゴジン氏に今週連絡を取り、ワグネル内部で虐待が横行しているとの疑惑について質問した。
同氏はCNNを「公然たる敵」と呼んだ上で、ワグネルは「模範的な軍事組織であり、現代の戦争に必須なあらゆる法規を順守している」と主張した。
アンドリーさんに取材する間も、掩蔽壕の上の戦場では砲撃の音がほぼ休みなく響いていた。甲高い発射音が鳴った数秒後、鈍い衝撃音が数キロ離れた地点から聞こえてくる。ロシアのドローン(無人機)らしきものを撃ち落とそうと、ウクライナ軍の兵士が銃を発射する音も聞こえる。
南西部の都市オデーサ出身のアンドリーさんは、ロシアによる侵攻の数日後に軍隊に参加した。今後陣地に何人の戦闘員が送り込まれて来ようと、抗戦し続けるつもりだ。
味方の大半は志願兵で、給料のいい仕事に就いていたにもかかわらず母国のために前線で戦っている。そこにロシア側との大きな違いがあると、アンドリーさんは語る。
「これは自由を守るための戦いだ。ウクライナとロシアの戦争ではなく、1つの政権と民主主義との戦争だ」(アンドリーさん)