伊マフィアのボス、16年逃亡の末逮捕 偽名使いピザの料理長になりすます
ローマ(CNN) マフィアの取り締まりに当たるイタリアの警察は4日までに、逃亡中の大物1人を逮捕した。この2週間前の先月16日には、シチリア島に拠点を置く別のマフィアのボス1人も逮捕していた。
今回フランスのサンテチエンヌで逮捕されたエドガルド・グレコ容疑者(63)は、パオロ・ディミトリオの偽名を使い、ピザ担当の料理長としてイタリアンレストランで働いていた。
カラブリア州が本拠の組織「ヌドランゲタ」と関係がある同容疑者は、1991年に2人の兄弟を殺害した罪に問われた。裁判所の文書によると、被害者らを鉄の棒で殴って殺した後、遺体を酸で溶かしたという。本人不在のまま有罪判決を受け、16年にわたりイタリアの法執行機関の手を逃れ続けてきた。
このほか、複数の刑務所職員の殺人未遂でも有罪になっていることから「プリズンキラー」の異名をとる。
グレコ容疑者捜索の指揮を執ったカラブリア州検察庁の二コラ・グラッテリ検察官は、フランスの新聞記事で同容疑者が紹介されたのを目にしてから包囲網を狭めていった。当該のレストランはこの記事を店の公式フェイスブックページに投稿していた。同検察庁がCNNに確認した。
カラブリア州警察も、グレコ容疑者が定期的にソーシャルメディアへ偽名で投稿していたと明かす。CNNは3日、レストランに連絡を取ろうとしたが電話がつながらなかった。
ジャーナリストで作家のロベルト・サビアーノ氏は先週CNNのインタビューに答え、マフィアのボスが注目を集めたがるのはよくあることだと指摘。メキシコの「麻薬王」ホアキン・グスマン受刑者(通称エル・チャポ)やアル・カポネといった大物がギャング映画に関心を持ち、制作者との面会や撮影現場の訪問を望んでいた事例に言及した。
サビアーノ氏は、マフィアに関連する調査をまとめた著書を出版した2006年以降、警察の保護下で生活している。