ANALYSIS

北朝鮮の食糧不足、致命的悪化の瀬戸際 専門家が警告

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90年代飢饉の時、トウモロコシの袋を積み中国国境の通行許可を待つ北朝鮮のトラック/Anu Nousiainen/AFP/Getty Images/FILE

90年代飢饉の時、トウモロコシの袋を積み中国国境の通行許可を待つ北朝鮮のトラック/Anu Nousiainen/AFP/Getty Images/FILE

ただ前出のレンヒフォケラー氏は、従来の非公式の貿易を許可することは金氏の利益にならないとみている。北朝鮮の体制は、起業家層が台頭して自分たちの権力を脅かしかねない存在になるのを望まないからだという。

加えて金氏はミサイルの発射実験を止めようとせず、隣国からの援助物資の提供も拒んでいる。

韓国の朴振(パクチン)外相はCNNのインタビューに答え、「北朝鮮がこの難局から抜け出せる唯一の方法は、対話のテーブルに復帰し、我々の人道支援に関する提案を受け入れ、将来に向けたより良い選択をすることだ」と述べた。

韓国統一省も、北朝鮮政府が引き続きミサイルと核兵器の開発プログラムに注力し、自国民への食糧供給を二の次にしていると指摘した。

同省の副報道官は先月の説明で「国内外の研究機関によると、仮に北朝鮮が昨年発射したミサイルのコストを食糧の供給に充てていれば、100万トンを超える食糧が購入できていたという。同国の年間の食糧不足を解消できる以上の量だったとみられる」と述べた。

韓国政府の地方開発部門は、北朝鮮の昨年の作物生産について、前年比で4%低下したと明らかにした。洪水や悪天候の影響だとしている。

「国民は数十年間、慢性的な栄養不良に悩まされている。成長阻害の割合が高く、あらゆる兆候から状況の一段の悪化がうかがえる。そう遠くないうちに国が飢饉に陥るのは間違いないだろう」(レンヒフォケラー氏)

本稿はCNNのポーラ・ハンコックス記者の分析記事です。

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