より防衛しやすい場所への撤退「理にかなっている」 英陸軍の元参謀長
(CNN) 英陸軍で参謀長を務めた経験を持つリチャード・ダナット卿は5日、ウクライナ東部バフムートでの激戦に触れ、ウクライナ軍がより防衛しやすい前線まで撤退することは完全に理にかなっていると述べた。
ダナット卿は英メディアの取材に答え、バフムートがウクライナにとって戦略的に「非常に大きな意味があるわけではない」との見方を示した。
ダナット卿によれば、バフムートは戦略的に大きな意味はないものの、多くのロシア兵を打ち破る拠点として機能しているとし、そうしたことから、ウクライナ軍がより防衛をしやすい前線まで撤退して、そこで戦闘を継続することは理にかなっていると述べた。
バフムート近郊の掩体壕(えんたいごう)に入るウクライナ軍兵士=4日/John Moore/Getty Images
ウクライナ軍の現地の司令官は5日、バフムートから撤退する可能性が強まっているとの見方を否定し、ウクライナ側に戦略の変更はないと明らかにした。
ダナット卿は、ウクライナにとって、ロシア軍の現在の攻勢を食い止めることが重要だと述べた。ロシア軍による攻撃はさらに激しくなる可能性があるという。ダナット卿は、春の終わりから初夏にかけて、ウクライナ軍が西側諸国が供与した近代的な装備を活用して、強力な反撃を実行できるようになるとの見通しを示した。
ダナット卿は、西側諸国によるウクライナへの武器供与について質問されると、不十分だとの見方を示し、今年中に戦争を終結させるようできる限りのことをする必要があると述べた。