ウクライナ、パイプラインのガス漏れへの関与を否定
(CNN) ウクライナのポドリャク大統領府長官顧問は7日、昨年9月に発生した天然ガスの海底パイプライン「ノルドストリーム」のガス漏れをめぐり、ウクライナ政府の関与を否定した。西側諸国の首脳らは、バルト海を通じてロシアと欧州を結ぶパイプラインからのガス漏れについて、妨害工作による可能性が高いとの見方を示している。
ポドリャク氏はツイッターへの投稿で、ウクライナ政府に関する陰謀論を集めるのは楽しいとした上で、ウクライナはバルト海での不幸な出来事には関係がなく、親ウクライナの妨害工作グループについての情報もないと述べた。
ポドリャク氏の発言の前には、米紙ニューヨーク・タイムズが、パイプラインからのガス漏れについて、「親ウクライナのグループ」が攻撃を実行したことを示唆する新たな諜報(ちょうほう)があると報じていた。
諜報に詳しい情報筋はCNNに対し、この見方について信頼性の高いものではなく、情報機関内の優勢な見解でもないと述べた。米国はまだ実行犯を特定できていないという。
ただ、情報機関の一部には、親ウクライナのグループがパイプラインへの妨害工作を行った動機として、ロシアが天然ガスをウクライナや欧州に対する武器として使用していたからだと考えるところもある。パイプラインはウクライナをう回しているが、ロシアはウクライナ侵攻を受けた欧州による制裁への対応として欧州へのガス供給を全て停止すると威嚇していた。
情報筋によれば、情報機関は、ゼレンスキー大統領を含むウクライナの指導層が妨害工作について知っていたり関与していたりすることを示唆する証拠は持ち合わせていない。