オデーサのバレエダンサー、戦闘任務中に死亡 ウクライナ
(CNN) ウクライナ南部の港湾都市オデーサの歌劇場は22日までに、ダンサーのロスティスラフ・ヤンチシェン氏(31)が前線での戦闘中に死亡したと明らかにした。
フェイスブックの公式ページによると、10年あまりオデーサ・オペラに所属していたロスティスラフ氏は侵攻初日、ウクライナ防衛に当たるため軍に入隊。「その結果、バレエの靴は軍靴に、彼の好きだった舞台の音楽は迫撃砲の音に取って代わられた」という。
バレエ団の団長は「才気煥発(かんぱつ)で礼儀正しく、知的な男だった。彼は真っ先に祖国防衛に赴いた。招集や命令に応じたわけではなく、自ら決断を下した」と振り返った。
歌劇場によると、ヤンチシェン氏の最も印象的な役柄の一つに、バレエ「トリマイ」の死にゆく兵士の役があった。
「運命の定めにより、この役は彼のその後を予言することになった」(歌劇場)
ウクライナ文化省もフェイスブックでヤンチシェン氏を追悼し、「筆舌に尽くしがたい喪失」とその死を悼んだ。
文化省によると、ヤンチシェン氏は侵攻当初から防衛任務を希望していたが、正規軍に入隊できなかったため、志願して領土防衛隊に加わった。前線では機関銃手を担っていた。
32歳の誕生日を1カ月後に控えた4月19日、迫撃砲による攻撃で死亡したという。