激戦地ドネツク州の支配地で深刻な給水不足、親ロシア派勢力
(CNN) 激戦が続くウクライナ東部ドネツク州で親ロシア派勢力が名乗る「ドネツク人民共和国」トップのプシリン氏は30日までに、支配地での水供給が悪化し、危険なまでの低水準に陥っているとの現状を認めた。
オンライン上の質疑応答で明らかにしたもので、多くの世帯が受け取る配給量は3日ごとの2時間のみになっていると述べた。
ドネツク市は、主要な水源だった水路を失ったと指摘。この水路は同州のチャシフ・ヤル、バフムート両市を流れている。バフムート市では現在、ウクライナ戦況の行く末を決めるともされる激しい攻防が続いている。
プシリン氏は、シベルスキー・ドネツ川に頼る代替の水路を確保する作業が進められているとして、完了すれば支配地での配水危機が緩和できるとした。
当座の水需要を満たすためロシア側のドン川と結ぶ配水管の工事が行われているともしたが、得られる量は限定的ともした。この中で住民は周辺にある鉱山でくみ出した水を日常生活で使っているともしたが、水質的には適切な水準にはないとも述べた。
ドネツク市の主要水源の水路は20世紀半ばに建設された。その浄化装置はこれも交戦が常時起きているアウディーイウカ町近くに位置する。
CNNの取材に応じた同市郊外の住民は、水の確保には非常に困っているとの状況を説明。特に建物の上層階に住んでいる場合は給水に必要なポンプ圧力が弱いため一段と難しくなっていると証言した。
今年2月以降、実質的に水なしの生活を送っているとも告白。居住先のアパートには1週間のうちの数日間、それも数時間しか給水がないとし、「子ども2人と住む部屋の中は貯水容器に占領されている」との実情を明かした。