ロシア軍のバフムートでの攻勢、「著しく低減」とウクライナ ワグネルと交代進む
(CNN) ウクライナの当局者らは30日までに、東部の都市バフムート周辺の陣地にほとんど変化がなく、ロシア軍の攻勢の強度が低減していることを示唆した。現地ではロシアの正規軍と民間軍事会社ワグネルの戦闘員との入れ替えが続いている。
ウクライナのマリャル国防次官はSNSテレグラムで、「敵の攻勢の強度は著しく低減した。敵はワグネルの部隊と正規軍とを入れ替え、当該地域の防衛の安定化を図っている」と述べた。
その上で「我が軍の部隊は敵のこのプロセスを格段に困難にしている。一方で、敵の大砲による攻撃の強度は低減していない」と付け加えた。
現在ウクライナ軍の部隊はバフムートのすぐ南と西の陣地で持ちこたえているが、マリャル氏によれば、ロシア軍はそのうちの南側で部隊を増強しようとしているという。
ワグネルを率いるエフゲニー・プリゴジン氏は28日、同社の戦闘員からロシア正規軍への陣地の引き渡しについて、来月5日まで延長する可能性があると述べていた。
米シンクタンク、戦争研究所(ISW)は、戦況に関する最新の評価の中でロシア軍が部隊をバフムートに移動させている証拠が引き続き確認できると指摘。こうした部隊はアウディーイウカなど、ドネツク州の前線の他地域から送られてくるという。これによりアウディーイウカ、ドネツク両市の間の前線でロシア軍による攻勢の速度が低減する可能性があるとしている。
またバフムート周辺のロシア軍の作戦速度は依然として際立って低いとISWは分析した。ウクライナの当局者らも、当該地域で日々記録される戦闘は1桁台にまで落ち込んでいると明らかにしていた。