インフルエンザ感染、オーストラリアで急増 北半球の兆候となる可能性も
(CNN) 冬の季節を迎えた南半球のオーストラリアで、例年より早くインフルエンザの流行が始まっている。感染者数が急増している地域もあり、子どもの症例数は最も多い。そうした状況は米国での流行パターンを予測する兆候となる可能性があり、専門家が注視している。
オーストラリア保健相は9日、インフルエンザの症例数が例年よりも早い5月初旬から急増し始めたと発表した。症例数は5年間の平均を上回っているが、2019年と22年のこの時期よりは少ないという。
今年は特に、子どもの症例数がほかのどの年代よりも多いと思われる。
米国の専門家は通常、オーストラリアなど南半球の状況を見て、米国の秋から冬にかけてのインフルエンザの流行パターンを予測している。
ただ今年は新たな課題に直面する可能性もあると専門家は指摘する。「年1回のインフルエンザ予防接種を国民全員に促すことに加えて、新たに改訂された新型コロナウイルスのワクチンも接種できるようになる。さらに、新しいRSVワクチン2種類がこのほど認可された。あと1週間半ほどで、CDC(米疾病対策センター)諮問委員会は、どんな人がワクチンを接種すべきかを勧告する。少なくとも高齢者は接種を勧告されるだろう。人によっては1回だけでなく、2回、3回の接種が推奨される」(バンダービルト大学のウィリアム・シャフナー教授)
大人が実際に3回の接種を受けるかどうかは分からない。インフルエンザの予防接種を受けない人が多ければ、症例が増える可能性もある。
新型コロナウイルスの影響で、子どものワクチン接種率は大きく後退した。オーストラリアで子どものインフルエンザの症例がこれほど多いのは、それが一因かもしれないと保健省の広報は指摘している。