オランダ政権崩壊、総辞職へ 移民制限めぐる対立で
(CNN) オランダのルッテ首相率いる連立政権が移民流入の制限策をめぐる内部対立で崩壊し、11月に総選挙が実施される見通しになった。
ルッテ氏は7日、内閣がウィレムアレクサンダー国王に辞表を出すと発表した。
同氏は2010年に就任し、連続4期目。7日深夜の記者会見で、連立政権の内部で移民政策をめぐる意見の相違が克服できなくなったと説明した。
国王は8日にルッテ氏と会談するため、休暇を予定より早く切り上げた。同氏は会談で正式に辞意を表明する。
連立政権はルッテ氏の自由民主党(VVD)とリベラル派の民主66(D66)、中道のキリスト教連合(CU)、保守派のキリスト教民主同盟(CDA)の4党で構成されている。
VVDがすでに国内にいる難民の子どもたちの入国を制限し、少なくとも2年間待機させる措置を提案したのに対して、CUとD66が支持を拒否した。
D66を率いるカーフ財務相は7日、「長期に及んだ激しい議論の末、連立政権内の協力は本日をもって停止する」「残念ながら溝は埋められないことが分かった」と述べた。
オランダ移民帰化局によると、同国が受けた難民申請は2021年の3万6620件から、昨年は4万7991件に急増した。その多くをシリアからの申請者が占める。政府の推計によれば、今年は7万人を超える可能性がある。
ルッテ氏の提案を支持するCDA党首のフックストラ外相は7日、「人口密度の高い小国であるわが国の受け入れ能力が圧迫されている」と語り、移民制限の必要性を指摘した。
総選挙は内閣総辞職から90日間は実施できないことが定められている。議会の夏、秋の休会期間を考慮すると、総選挙は11月に入ってからになると予想される。