ワグネルの部隊と核弾頭はどこに? ベラルーシ移動の兆候を探る西側情報機関
ベラルーシ国内のワグネルの兆候
米欧の当局者はこれまで、ワグネルの部隊が大挙してベラルーシに退却した兆候は目にしておらず、プリゴジン氏がベラルーシ国内にいる気配もない。ルカシェンコ氏は6日、CNNに対し、プリゴジン氏が現在ロシアのサンクトペテルブルクにいると説明した。プリゴジン氏は2週間近く前、ワグネルの反乱を画策した責任を取りベラルーシに亡命することでプーチン氏と合意したはずだった。
当局者は、ミンスクの南東約80キロにある軍兵舎で進む再建の兆候を注視している。ベラルーシ政府は7日、CNNを含む外国メディアを兵舎に案内した。ワグネルの戦闘員がベラルーシに来た場合、この兵舎が収容先となる可能性もある。
複数の当局者によると、野営地での作業は反乱前に既に始まっていたとみられる。ベラルーシ軍のレオニード・カシンスキー少将は7日、「この野営地とワグネルは一切関係ない」と説明しつつも、「大統領はきのう、プリゴジン氏が配下の指揮官とベラルーシに来ることを決断すれば、この野営地を含む場所を提供することも可能だと述べた」と明かした。
ただ、ロシア大統領府からの資金援助の大半が断たれた今、プリゴジン氏がベラルーシ国内にワグネルの大規模部隊を維持できるかは不明だ。自身の統治が脅かされる可能性を知りつつ、ルカシェンコ氏がそれを許容するかも分からない。
ルカシェンコ氏は、ワグネルがベラルーシに移動した場合、ベラルーシ政府との契約に署名する必要があると指摘する。プリゴジン氏は先月に反乱を試みる前、ロシア国防省と契約することを拒んでいた。
「ワグネルがベラルーシに拠点を置く決断を下せば、彼らと契約書の草稿を作成する」とルカシェンコ氏は6日に発言。「契約書にすべて記載する。部隊の活動の枠組みについては、法律か大統領令のレベルで決める」としている。