ワグネルは「存在せず」、プーチン氏が傭兵集団の亀裂を主張する理由

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この数週間の事象を通じ、クレムリンとワグネルとの緊張関係には拍車がかかっている/Roman Romokhov/AFP/Getty Images

この数週間の事象を通じ、クレムリンとワグネルとの緊張関係には拍車がかかっている/Roman Romokhov/AFP/Getty Images

では、プーチン氏がプリゴジン氏やワグネルの司令官たちとの会談でこのような説明を提示した目的は一体何か? ロシア国民に向け自身が依然として主導的立場にあるとのメッセージを発するのに加え、新たな言説を作り出そうとしているようにも見える。つまり「善きワグネル(プリゴジン氏が指揮する歩兵たち)」と「悪しきワグネル(プリゴジン氏本人)」との間に対立があるという言説だ。

コメルサントとのインタビューで、プーチン氏はプリゴジン氏と同氏の上級司令官らとの関係に亀裂が生じていることを示唆した。クレムリンでの会談の最中に気付いたという。

コメルサントの報道によれば、プーチン氏は傭兵たちに対し、引き続き彼ら直属の司令官の指揮下で活動する選択肢を提示した。「セドイ」のコールサインで知られるこの司令官は、過去16カ月にわたってワグネルの戦闘員を率いてきた人物だという。

傭兵たちには「何も変わらず、これまでと同じ人物の指揮下に入ることになる。常に自分たちの本当の司令官であり続けた人物だ」と伝えたと、プーチン氏は明らかにした。コメルサントが報じた。

同紙の記者が「それからどうなったか?」と問いかけると、「私がそう言うと、大勢が(肯定して)うなずいた」と、プーチン氏は答えた。

しかし同氏によると、プリゴジン氏はクレムリンの提示した案に同意せず、戦闘員たちがこの決定には同意していないとプーチン氏に告げたという。

ワグネル内での亀裂が現実であれ作り話であれ、あるいはその両方がない交ぜになったものであれ、クレムリンがそれを利用することができるのかどうかは依然として不透明だ。ワグネルの一般兵たちが今後どのような行動に出るのかも判然としない。しかしプーチン氏の一方的な説明から察するに、クレムリンは今なお、この傭兵部隊の指揮官を具体的にどう扱うべきなのか探っている最中のようだ。

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