世界中で続く酷暑、連日の記録更新 ローマ40度超、バグダッド50度
ギリシャは首都アテネの近郊など各地で森林火災が続く。消防は現在、アテネ北部デルベノホリアで17日に発生した大規模な火災の消火活動に全力を挙げているが、火災は南西に向かって延焼を続けている。
フランスでは18日、気象庁の観測で南部9地域の気温が史上最高を更新した。首都パリの当局者らは、熱波が来年のオリンピックに影響を与える可能性を注視している。
インドではヤムナ川が氾濫(はんらん)し、18日には世界遺産タージ・マハルの壁に水が到達した。氾濫地点は首都ニューデリーに近く、数万人が避難している。
イラクの気象当局によると、首都バグダッドや同国南部の気温は今週、カ氏122度(セ氏50度)近くまで上昇した。バグダッドの住民は、扇風機やエアコンが何よりも必要な状況の中で停電が発生し、猛暑をしのぐのが難しくなったと訴えている。
欧州連合(EU)の緊急対応調整センター(ERCC)は19日の気温について、イタリアのほぼ全土とクロアチア東部、スペイン南部、ボスニア・ヘルツェゴビナ南部、モンテネグロを対象とするレッドアラートの警報を出した。
こうした猛暑は「少なくとも10万年さかのぼって」地球上で観測された最高気温になることは「ほぼ間違いない」と、ウッドウェル気候研究センターのジェニファー・フランシス氏は解説する。国連世界気象機関(WMO)は世界を覆う異常な猛暑について、危険であり健康リスクの急激な増大を招くと指摘している。