反転攻勢、一部の人の期待よりも「おそらく遅く進行」 ゼレンスキー氏が認める
(CNN) ウクライナのゼレンスキー大統領は8日公開の動画で、ウクライナ軍の反転攻勢は容易ではなく、一部の人が期待したよりも「おそらく遅く進んでいる」と認めた。
ゼレンスキー氏の発言は6日に南米メディアと会見した際のもの。CNNはこれに先立ち、欧米当局者の間でウクライナ軍の領土奪還能力について厳しい見方が強まっていると報じていた。
ゼレンスキー氏は「地雷が敷設されている場所もあれば、技術的な困難が存在する場所もあり、我々が長いあいだ待機している場所もある。他にも事態を複雑化させる要因がある。それについて議論すれば長くなる」と述べ、「反転攻勢の方向性、何が失敗したのか、何が足りていて何が足りないのか」といった点に言及した。
そのうえで「反転攻勢とは軍が攻撃に出ている時のことであって、退却している時ではない。今は重要で前向きな局面だ。そして、主導権を握っているウクライナ側だ」と説明。「これほど長期間の戦闘には大きな困難が伴う。それは明白だ。装備品が不足している状況では非常に難しい」としつつ、「我々にとって難しい局面であることは分かっているが、ロシア人にとっては間違いなく、もっと難しい状況だ」と述べた。
さらに、ウクライナ人の目には疲労があるが、ロシア人の目には恐怖が浮かんでいるとも指摘した。
ウクライナ軍は引き続き、東部や南部に幾重にも敷かれたロシアの防衛線を突破するのに苦慮している状況だ。こうした地域には大量の地雷が敷設され、広大な塹壕(ざんごう)網が張り巡らされている。ウクライナ軍は大きな損失を被っており、司令官は再編や人的被害の抑制のために一部の部隊を待機させている。