ウクライナ軍のF16機訓練が開始、機体の年内供与は期待せず
(CNN) ウクライナのレズニコウ国防相は19日、ウクライナ軍の米国製戦闘機「F16」の操縦士訓練が始まったことを明らかにした。
地元メディアとの会見で述べた。同じく多数のウクライナ人を対象にしたF16に必要な整備士や技術者の訓練も開始されたとした。
訓練の期間には具体的に触れなかったが、「最短で半年間」と述べた。訓練終了の時期については、教官側がウクライナ人操縦士、整備士や技術者が新たに習得した知識や技能をうまく活用し得る段階に入ったと判断すれば公表するだろうとした。
ウクライナの訓練生は軍事的な技術用語を理解するための英語の訓練も受けるとし、現時点では「基礎的な水準の英語力も十分ではない」ことを認めた。
また、この訓練期間中にどの国がウクライナへF16を引き渡せるのか、その機数の程度を決めたいともした。レズニコウ国防相は、F16が搭載する兵器の種類を選別するのも重要と指摘した。
ウクライナ軍へのF16の操縦訓練は北大西洋条約機構(NATO)加盟の11カ国が支援している。
一方、ウクライナ空軍のイフナト報道官は20日までに、F16が年内に国内に到着することは期待していないとの見解を表明した。
地元の公共テレビの番組で、「F16を入手して今秋や今冬にウクライナ防衛に投入出来ないのは既に明白」と話した。
ウクライナ政府は過去1年以上にわたり同型機の提供を西側の支援国に要望。防空網のさらなる強化と攻撃能力の向上につながると主張していた。
バイデン米政権も欧州諸国によるF16のウクライナへの引き渡しや操縦士の訓練には賛同しており、ウクライナのゼレンスキー大統領や欧州政府の当局者は訓練は今月始まるとの見通しも公言していた。
ウクライナ空軍が保有する航空機は、大半が旧ソ連時代に開発、製造された型式のもので、F16を加えた場合、航空戦力の向上につながるとも期待している。しかし、軍事専門家らは同型機は戦況を好転させる万能薬になる兵器ではないとし、ロシア側はF16の弱味を握っているとして、これにつけいる対抗策を出すだろうと警告した。