中国、日本の水産品を全面禁輸 処理水放出受け
(CNN) 東京電力が24日に福島第一原発の処理水の海洋放出を始めたことを受け、中国は同日、日本の水産品の全面禁輸を発表した。
処理水の放出をめぐっては、一部の国や消費者から反対の声が上がっており、中国はその先頭に立っている。
同日午後に放出が始まると、中国は「利己的で無責任な行為」だと激しく非難。その後、税関当局が日本を原産地とする全ての水産物の輸入を停止すると発表した。この措置により、魚介類だけでなく海塩や海藻などの輸入も制限される。
税関当局は声明で「福島原発の汚染水排出でもたらされる食の安全の放射能汚染リスク」を防止し、中国の消費者の健康を守ることが目的だと説明した。
日本は、処理水の排出は安全であり、原発の用地確保の面から緊急に必要な措置だと主張してきた。
東電によると、放出は24日午後1時ごろに開始。同日の放出は約200〜210トンで、25日からは456トンの処理水を24時間にわたって放出し、17日間で計7800トンの処理水を放出する。
東電は、放出のための設備や処理水の希釈レベルに異常が見つかった場合、直ちに作業を停止し、調査を実施するとしている。
2011年の東日本大震災で発生した福島第一原発事故では、原発内の水が高濃度の放射性物質で汚染された。これ以降、原子炉内の溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)を冷却するために水が注入される一方、地下水や雨水もまざることで、さらに多くの汚染水が発生していた。