中国から水上バイクで韓国へ 密入国図った活動家か
ソウル(CNN) 韓国の首都ソウル近郊の仁川で先週、水上バイクで密入国を図ったとされる30代の男性が拘束された。男性は中国の反体制活動家とされ、山東省から黄海を渡って仁川の海岸にたどり着いたとみられる。
仁川の沿岸警備隊が20日に発表したところによると、男性はヘルメットと双眼鏡、方位磁針だけを持ち、水上バイクに25リットルの燃料タンクを五つ縛り付けていた。
16日に仁川の海岸に到達したが泥にはまって動けなくなり、助けを求めた。その場で当局に拘束され、22日に送検された。
韓国当局は男性の名前を公表していないが、中国の反体制派と協力する国際NGO「ダイアログ・チャイナ」は、反体制活動家の中国人、権平氏だと発表した。
権氏は米アイオワ州立大学を卒業した後、中国に戻って政府を公然と批判し、SNSを通して人権侵害を非難したり、香港の民主化デモに参加したりしてきた。
2016年8月には、習近平(シーチンピン)国家主席をヒトラーになぞらえるなどしたTシャツを着て自撮り写真をツイート。その1カ月後、SNS上のコメントを理由に逮捕された。
韓国を拠点とするダイアログ・チャイナの活動家、イ・デソン氏によると、権氏は禁錮刑を言い渡され、19年3月に釈放された。2人は同年8月から連絡を取り合い、権氏は外国に亡命したいとの意向を示してきた。
イ氏は16日に権氏から連絡を受け、22日に面会した。本人は英語圏の第三国へ行くことを希望しているという。
イ氏は「入管法に違反したのはいけないが、権氏にはほかに選択肢がなかった」と話している。