バイデン氏、キャンプデービッドで日韓首脳と会談 「協力の新時代」見据える
(CNN) 岸田文雄首相と米国のバイデン大統領、韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領は18日、米ワシントン郊外の大統領専用山荘「キャンプデービッド」で会談し、日米韓協力の新時代の到来を告げる新たなコミットメント(約束)を発表した。中国の台頭に直面する中、3カ国は緊張をはらんだ歴史をいったん脇に置いた形だ。
今回の会談には、北朝鮮の執拗(しつよう)な挑発行動に対処する3カ国が力を誇示する狙いがあった。中国をめぐる懸念を背景に、バイデン氏がインド太平洋地域の同盟国との関係強化を図る中での会談にもなった。
バイデン氏は日韓首脳の参加に感謝の意を示し、「政治的な勇気」が示されたことを称賛。「あなた方の指導力に米国の全面的な支援が加わり、私たちはこの場所に集まることができた。なぜなら、皆さんは世界が変革点にあること、新たな形での指導力や協力、団結が求められていることを理解しているからだ」と述べた。
会談終了後の声明では、3首脳が新たな「協議の約束」を発表。3カ国間のホットライン(専用回線)の開設や年次軍事演習の実施、情報共有、新たな3カ国首脳会談の年次開催も打ち出した。
バイデン氏がキャンプデービッドに外国の指導者を招くのは初めて。キャンプデービッドは歴代大統領の在任中、歴史的な外交交渉の舞台となってきた。
この3カ国の関係進展は常に既定路線だったわけではない。日韓関係には日本統治時代の徴用工をめぐる対立など、数十年来の緊張や不信感が付きまとう。
しかし、北朝鮮のミサイルの執拗な脅威や中国の軍事的な動きに直面する中、岸田氏と尹氏は相違点を脇に置くよう努め、3月には関係修復のための首脳会談を開催した。この取り組みについて米当局者の間では、かつては想像もできなかった3カ国のパートナーシップを固める重要な一歩になったと評価する声が出ている。