トルコの洞窟で身動きできなくなった米国人男性、10日ぶりに無事救助
(CNN) トルコ南部アナムルの洞窟の中で身動きできなくなっていた米国人男性が、10日ぶりに無事救出された。トルコの災害緊急事態対策庁(AFAD)が12日に発表した。
AFADによると、救出されたのは洞窟探検家のマーク・ディッキーさん。一見したところ元気そうな様子で、ヘリコプターで病院に運ばれた。洞窟から担架で運び出されるディッキーさんが笑顔を浮かべる映像も公開されている。
医療用テント近くでディッキーさんは、「再び地上に出られたのは驚き」とコメント。救助隊とトルコ政府に「何も問わずに私の命を救ってくれた」と謝意を表し、「予想外の健康問題のため、予定よりも長い間地下にいた」と語った。
トルコ洞窟探検連盟によると、ディッキーさんはモルカ渓谷にある陥没穴(深さ1276メートル)の中で、胃腸出血を起こした疑いがある。
ディッキーさんが激しい腹痛を訴えているという連絡が欧州洞窟救助協会(ECRA)に入ったのは今月2日。200人あまりの救助隊員が率いる国際救助活動が同日から始まった。救助活動には米国、ハンガリー、ポーランド、ルーマニア、ウクライナ、トルコなどの救助隊が参加。ディッキーさんを地下180メートルの地点まで移動させ、その後洞窟から助け出した。
洞窟内では医師がディッキーさんに付き添い、救助隊との通信を確立して連絡を取り合っていた。
洞窟からのディッキーさん救助に成功したのは現地時間の午前0時37分だった。
ディッキーさんが創設した非営利組織のケービング・アカデミーによると、ディッキーさんは米国立洞窟救助委員会のインストラクターで、ECRAの役職も務めている。