洪水発生から1週間、リビアで反政府デモ 今も数千人が行方不明
リビア・デルナ(CNN) 壊滅的な洪水の発生から1週間がたったリビア東部の都市デルナで、反政府デモが行われている。同地では豪雨のために2つのダムが決壊して近隣の一帯がのみこまれ、何千人もの犠牲者が出た。
デルナ市内のサハバモスク前に集まったデモ参加者は、リビア東部を拠点とする議会のアギーラ・サレハ議長ら当局者に怒りの矛先を向けた。SNSに投稿された動画では、デモ参加者がモスクのドームによじ上って反政府のスローガンを叫び、「我が故国よ……我々はここにいる。痛みが過ぎ去るまで」と歌っていた。
リビア議会のサレハ議長の解任を要求するデモ参加者/Hussam Ahmed/AFP/Getty Images
生存者の捜索救助活動が縮小される中で、市民は水系伝染病の蔓延(まんえん)や大雨によって移動した地雷などの新たな恐怖にさらされている。リビア国軍高官は、治安や衛生上の理由から更地にされた土地もあるとCNNに語った。
18日に行われた反政府デモは、洪水発生以来、最大の規模だった。ロイター通信によると、デモ隊は同日夕、洪水発生当時のデルナ市長だった男性の自宅に放火した。
洪水で家族を失った友人を慰める人々/Zohra Bensemra/Reuters
被害の全容は今も明らかになっておらず、まだ数千人が行方不明になっている。当局が発表する死者の数には相当の差があるものの、国連は少なくとも3985人の死亡を確認した。
デモはデルナ以外の地域に拡大する可能性もある。サハバモスク前に集まった参加者の一部は、リビア第2の都市ベンガジの住民にもデモに加わるよう呼びかけた。