ロシアの秋季徴兵、占領下のウクライナ4州が初めて対象に
(CNN) ロシア国防省は29日、今秋の新たな徴兵で占領下のウクライナ4州が初めて対象地域に含まれると明らかにした。
国防省によると、秋の徴兵は10月1日からロシア連邦全域で始まる。違法に併合されたウクライナの地域も対象になるという。
ロシアのプーチン大統領は昨年9月、ルハンスク、ドネツク、ヘルソン、ザポリージャ4州の併合を宣言。4州ではこれに先立ち、いわゆる「住民投票」が実施されたものの、ウクライナや西側諸国からは一様に「偽の」住民投票だと非難する声が上がった。
ロシア軍参謀本部組織動員総局の幹部であるツィムリャンスキー少将によると、ロシアの極北地域では気候の違いを考慮し、11月1日から徴兵が開始される。
徴集兵が集合場所から出発するのは10月16日以降になる予定。「徴兵期間は従来通り12カ月」だという。
ツィムリャンスキー少将は「徴兵で軍務に就く要員がドネツク人民共和国やルガンスク人民共和国、ヘルソン州、ザポリージャ州といったロシア連邦の新地域の部隊展開拠点に派遣されたり、特別軍事作戦の任務に参加したりすることはない」としている。「特別軍事作戦」はウクライナでの戦争を表すロシアの婉曲(えんきょく)表現。
定期徴兵以外の追加動員の計画はない。ツィムリャンスキー少将は「(ロシア軍)参謀本部に追加動員の計画はない」と強調した。
ロシアでは徴兵は年2回行われる。国営タス通信によると、昨秋は部分動員の影響で徴兵事務所が手一杯となり、通常より1カ月遅れで徴兵が始まった。