軍学校の卒業式にドローン攻撃、80人死亡 シリア西部
(CNN) シリア西部のホムスにある軍学校に4日、ドローン(無人機)攻撃があり、80人が死亡した。当局者によると、攻撃時、学校では卒業式が行われており、負傷者も多数にのぼるという。
当局者は「初期情報では子ども6人を含む80人が死亡し、240人が負傷した」と明らかにした。
犯行声明は出ていない。国防省は声明で「国際的によく知られた団体が支援するテロ組織」の犯行だと非難。「卒業式に出席していた多くの学生に加えて、兵士数十人が負傷した。女性や子どもなど、卒業式に招待された家族で重傷を負った人もいる」と説明した。
シリア軍は攻撃を計画・実行した者は「大きな代償を払う」と報復を警告した。
かつて「シリア革命の首都」として知られた古都ホムスでは、2012年にアサド大統領の失脚を目指す反体制派と政権軍が激戦を繰り広げた。反体制派は2年間、包囲されながら戦ったものの14年に撤退し、政権側がホムスを制圧した。
シリア中部の農業が盛んな地域の中心に位置するホムスは長い間、戦略上極めて重要な交通と商業の拠点だった。南の首都ダマスカスと北のシリア最大の都市アレッポを結ぶルート上に位置している。
一方、クルド勢力の声明によると、同国北東部では5日、クルド人支配地域を狙ったトルコの空爆により少なくとも8人が死亡した。トルコが15機以上のドローンを使って拠点やインフラなどを攻撃したという。
トルコ軍は、1日に同国の首都アンカラであった自爆テロ事件を受けてシリアとイラクのクルド勢力に対する一連の空爆を開始した。自爆テロについては、トルコ国内のほか欧米でもテロ組織に指定されているクルド人の非合法武装組織「クルディスタン労働者党」(PKK)が犯行声明を出した。