イスラエル国防相、ガザの「完全包囲」を命令 ハマスは人質を使って脅迫
エルサレム/ガザ(CNN) イスラエルのネタニヤフ首相は9日、パレスチナ自治区ガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスに対し「かつてないような」兵力での攻撃を実施する考えを示した。ハマスはガザを標的とする空爆が警告なしに行われれば人質とする市民を殺害すると脅迫している。
ハマスが週末にかけてイスラエル領土へ衝撃的な奇襲を仕掛けたのを受け、同国のガラント国防相も9日、ガザの「完全包囲」を命令。電力、食料、水、燃料の供給を停止させるとした。
数時間後、ハマスの軍事部門の報道官は、もしイスラエルがガザの人々を警告なく攻撃するなら、民間人の人質の殺害を開始し、その行為の音声と映像を放送すると述べた。
ネタニヤフ首相は9日のテレビ演説で、ガザにあるハマスの拠点の破壊は「始まったばかりだ」と警鐘を鳴らした。
イスラエル軍は、武装したハマスの戦闘員が週末にかけて急襲したイスラエル側の地域を既に奪還したと述べた。現在のところ、同軍とハマスの戦闘員によるイスラエルでの戦闘は行われていないという。
イスラエルは8日、前例のない攻撃への対応としてハマスに対し正式に宣戦を布告。イスラエル軍のメディアが9日伝えたところによれば、ここまでのイスラエルでの死者は少なくとも900人。
戦争が3日目に入る中、イスラエルのジェット機は9日もガザへの空爆を継続。パレスチナの保健省は、イスラエルの攻撃によりここまで子どもや女性を含む少なくとも687人が死亡したと述べた。負傷者は数千人にのぼるという。
ハマスはイスラエルによる空爆への報復として、9日に沿岸部のアシュドッドとアシュケロンに向けてロケット弾120発を発射したと明らかにした。