ガザ戦闘員、フェス観客に至近距離で発砲 動画で明らかに
(CNN) イスラエル南部で開かれたオールナイトの音楽フェスティバルを襲撃したパレスチナ自治区ガザ地区の戦闘員らは、会場にいた人々を至近距離から射殺し、彼らの所持品を略奪していた。新たに公開された車のドライブレコーダーの映像で明らかになった。CNNは映像の信憑(しんぴょう)性を確認している。
当該の映像は8日、同じイベントで起きた拉致の様子と共にソーシャルメディア上で拡散を始めた。以降、会場にいた人々の家族が映像を検証している。イスラエルは同日、ハマスによる一連の組織的な攻撃を受けて宣戦を布告した。
イスラエルの当局者は会場近くで少なくとも260人の遺体を確認した。それより前の映像では、国内外からイベントに参加した人々が7日の夜明け直後の砂漠で無防備に踊る様子が映っている。
会場の生存者らは、ハマスがガザで拘束していると主張する100人以上の人質に含まれるとみられる。生存者の家族や友人がソーシャルメディア上で共有された動画を確認して明らかにした。
上記のドライブレコーダーの映像は、会場で最初の爆発が報告されてから約3時間後の午前9時23分から始まっている。
映像に音声はないが、戦闘員1人は叫んだ後マシンガンを男性1人に向けている。男性は車両の隣に避難している。戦闘員が警告射撃を行っているのか、発砲して男性を負傷させたのかは不明。続いて男性は連行されていく。その後男性がどうなったのかは分からない。
映像に映る2人目の人物は、別の車両の後ろで地面に横たわっている。この人物が動き始めると突然別の戦闘員が画面に現れ、相手に狙いをつけて発砲し、立ち去る。撃たれた人物は地面で動かなくなっている。
時刻が午後0時9分となっている別の映像では、2人の戦闘員が上記の人物に近づき、ポケットの中を調べている。うち1人は何かを取り出し、自分の後ろポケットに入れている。
そこから3分と経たずに、複数の戦闘員が車両の後ろから女性1人をつかんで出てくる。女性は連行され、戦闘員らは別の車両のトランクを開け始める。また地面のスーツケース1個を空にして、中の物を盗んでいる。
0時14分になると上記の捕らえられた女性が走りながら再度画面に現れる。女性は両手を挙げて、フェスティバル会場に向かって手を振っているように見える。
女性の周囲の地面に弾丸が発射され、砂埃(すなぼこり)が舞い上がる。女性はまた身をかがめる。この後女性がどうなったかは不明。