ウクライナ向け砲弾供給、EUは目標の100万発に届かない公算大 独国防相
(CNN) ロシアと戦うウクライナに砲弾100万発を供給するという欧州連合(EU)の目標は達成できない公算が大きいことが分かった。ドイツのピストリウス国防相が14日に明らかにした。冬が迫る中、ウクライナは依然としてロシアとの過酷な消耗戦を強いられている。
ピストリウス氏はブリュッセルでのEU国防相会合に先立ち、「100万発には到達しないと見込まれる」と述べ、EU加盟国は産業界と連携し生産増強に取り組んでいると付け加えた。
今年3月、EU加盟国はウクライナに火砲弾薬100万発を供与することで合意。12カ月以内に引き渡すとしていた。
ピストリウス氏の警告の前日には、EUの外相に当たるボレル外交安全保障上級代表も、ウクライナ向けの砲弾生産が年末までに目標を達成できない可能性があると指摘していた。ただ生産能力を増強する取り組みは進行中だとした。
短期的には在庫からの砲弾の供与が求められており、その数は最大でおよそ30万発だとボレル氏は説明。生産側とはすでに複数の契約が結ばれているものの、各工場がどれだけ迅速に弾薬を製造できるかは状況次第だと付け加えた。
ウクライナの東部と南部で過酷な消耗戦が続く中、ウクライナとロシアは共に尋常ではない数量の砲弾を補充する必要に迫られている。韓国の情報当局によると、北朝鮮は8月初旬以降、ロシアに向けて100万発以上の砲弾を輸出した。米国もウクライナ向けの砲弾の生産を拡大している。
ウクライナのクレバ外相はEUに対し、ウクライナ軍への砲弾の供給能力を高めることを強く求めた。