フランス、シリアのアサド大統領に逮捕状
パリ(CNN) フランスの司法当局は、使用が禁止されている化学兵器をシリアで民間人に対して使った疑いがあるとして同国のアサド大統領ら4人に対し逮捕状を出した。司法情報筋が15日、CNNに明らかにした。
情報筋によると、司法当局は14日に、人道に対する罪と戦争犯罪に加担していたとしてアサド大統領、大統領の弟のマーヘル・アサド氏、高官2人に逮捕状を発行した。
国家が別の国家の現職元首に対して人道に対する罪で逮捕状を発行するのは初めてとみられる。原告弁護団の1人がCNNに明らかにしたところによると、国際刑事警察機構(インターポール)の国際逮捕手配書(赤手配書)も発行される見込み。
赤手配書は被手配者の引き渡しや自首、または同様の法的措置がとられるまでの間、世界中の法執行機関に対して、被手配者の居場所を突き止め、暫定的に逮捕するよう要請するもの。
メディアと表現の自由のためのシリアセンター(SCM)などの原告が15日に出した声明によると、アサド大統領らは2013年8月にシリアの首都ダマスカス近郊のドゥーマと東グータ地区で禁止されている化学兵器を使用した疑いがある。この攻撃により市民1000人超が死亡したと原告らは主張している。
シリア政府はグータで毒ガスを使用したと非難された。当時、グータは反体制派の拠点となっており、アサド政権は1年以上にわたってグータの奪還を必死に試みていた。
SCMの創設者で事務局長を務める弁護士のマゼン・ダルウィッシュ氏は声明で、今回の逮捕状発行は「司法における歴史的な先例となる」と評価した。