イスラエル軍、ガザ南部への攻勢間近か 避難呼びかけるビラ配布
(CNN) イスラエル軍は15日、パレスチナ自治区ガザ地区南部の住民に避難所に移動するよう呼びかけるビラを配布した。イスラエルの指導者らはガザ市を含むガザ北部の掌握を宣言しているが、同軍が南部へも間もなく地上攻勢を掛ける可能性が高まっている。
ビラが投下されたのはガザ南部の最大都市ハンユニスの東部地区。「知られている避難所に向かう」よう住民に指示している。
ビラがまかれた4つの地区はガザとイスラエルを隔てるフェンスの近くに位置しており、この一帯が南部の掌握も視野に入れているイスラエル軍の侵入地点となる可能性があることをうかがわせる。
ガザにスタッフを抱えるNGOのノルウェー難民評議会(NRC)の事務局長は15日、現地スタッフがビラを目にしたとSNSに投稿した。同ビラについてはロイター通信も報じた。
イスラエルのガラント国防相は14日、イスラエル軍は「ガザ北部の地下や地上の全域を押さえている」と明らかにした。翌日にはさらに踏み込み、イスラエル軍の地上作戦は「何カ月も続くだろう。ガザ地区の北部と南部でだ。どこにいようともハマスを解体する」と発言した。
人道支援団体の関係者は、イスラエル軍が南部に侵攻すれば、すでにひどい人道状況が一層悪化する可能性があると指摘している。
国連によると、ガザ地区の人口のおおよそ4分の3にあたる150万人が現在家を追われているという。そうした人々の大半は、イスラエル軍によるガザ北部への激しい空爆と地上作戦を受けて南部に避難している。
避難所150カ所強に80万人超が避難しており、「本来の収容人数をはるかに超えている」と国連は指摘している。