中国外相、ガザ危機に「至急行動を」 イスラム諸国代表団の訪問受け
香港(CNN) 中国の王毅(ワンイー)外相は20日、パレスチナ自治区ガザ地区での紛争を止めるために世界は「至急行動しなくてはならない」との見解を示した。アラブ諸国及びイスラム教徒が多数を占める国々の当局者らと協議する中で述べた。中国政府は取り組みを強化し、イスラエルとイスラム組織ハマスの軍事衝突で停戦を成立させる役割を果たそうとしている。
王氏が迎えたのはサウジアラビア、ヨルダン、エジプト、パレスチナ自治政府、インドネシアの外相らとイスラム協力機構(OIC)のトップ。これらの当局者は2日間の日程で北京を訪れた後、世界の複数の首都を歴訪するとみられる。
王氏は協議に先立つ開会のスピーチで「国際社会は至急行動し、有効な手立てを講じてこの悲劇の拡大を阻止しなくてはならない。中国は今回の紛争において、正義と公平性を支持する立場を固く貫く」と発言。即時停戦を求める中国の立場を改めて強調した。
訪中した外相らも、軍事衝突の停止や支援物資の即時搬入などを強く要求した。また中国をはじめとした「あらゆる国々」と協力したい意向を表明。信頼が置け、状況の深刻さを認識できる国々が対象になるとした。
中国政府は即時停戦に向けた立場など、紛争に対する手法で米国政府と見解を異にする。イスラエルの同盟国で長年中東地域での強力な仲介役を担ってきた米国は、即時停戦を支持していない。
中国政府はまた、ハマスの奇襲に対するイスラエルの報復を批判する一方、これまでのところハマスへの非難や声明での言及は行っていない。こうした姿勢はイスラエルの当局者からの反発を招いている。
中国外務省が出した協議の要約によると、王氏は上記の代表団に対し、「イスラエルはガザの人々に対する集団的な懲罰を停止するべきだ。可能な限り迅速に人道回廊を開設し、より大規模な人道危機の発生を防がなくてはならない」と語った。
イスラエル側はテロ撲滅に向けた自国の活動を断固として擁護。ハマスにより拘束された人質が返還されない限りいかなる停戦も拒否するとしている。