イスラエル軍、自国の人質3人を誤って射殺 ガザ北部
(CNN) イスラエル国防軍(IDF)は15日、イスラエル軍の兵士がパレスチナ自治区ガザ地区北部でイスラエル人の人質3人を脅威と誤認し、射殺したと明らかにした。
IDFのハガリ報道官は記者会見で「シュジャイヤでの戦闘中、軍はイスラエル人の人質3人を誤って脅威と認識した。この結果、兵士たちが人質に向けて発砲し、人質3人は亡くなった」と述べた。
そのうえで「現場で捜索と確認を行っていた際、死者の身元について疑念が浮上した」と説明。「遺体は調査のためイスラエル国内に移送され、その後イスラエル人の人質3人であることが確認された」と明らかにした。
射殺された人質3人の内訳はキブツ(農業共同体)「クファルアザ」から10月7日に拉致された男性2人と、同じ日にキブツ「ニルアム」から拉致された男性1人。
ハガリ氏によれば、IDFは直ちに調査を開始した。
IDFは3人について、拘束から脱出したか、現地で戦闘が起きたため「取り残された」かのどちらかだと見ているという。
ハガリ氏は3人が両手を上げたり、ヘブライ語で叫んだりしていたかと問われ、軍は依然として「詳細を確認中」だとコメント。「事案の全ての細部について完全な透明性」を約束すると表明した。
今回の事案が起きた場所については、「我が軍がここ数日、今日も含めて多数のテロリストと対峙(たいじ)し、激しい戦闘を展開している地域」だと説明した。
イスラエル軍は15日、人質3人死亡の情報が入る前の時点で、ガザには依然として人質132人が残っており、このうち112人は生存中とみられると述べていた。
ガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスは先月、戦闘休止合意の成立後に人質100人以上を解放。イスラエルもパレスチナ人の囚人240人を釈放した。しかし人質を巡る交渉は決裂し、ガザでの戦闘が再開した。
北部のシュジャイヤやジャバリヤ、南部のハンユニスでは現在、これまで以上に危険な近接作戦が展開されている。