海運会社の紅海通航中止相次ぐ、攻撃多発で 英軍が飛行体迎撃
(CNN) 世界3位のフランス海運企業「CMA CGM」は16日、自社の全てのコンテナ船に対し商船への攻撃が相次ぐ紅海の通航を中止するよう指示した。
声明で最近の一連の攻撃への深い懸念を示し、紅海周辺の情勢は一段と悪化しており、安全運航への危惧が強まっていると述べた。
紅海利用についてはデンマークの海運企業「マースク」が15日、全ての船舶による停止を発表。ドイツのコンテナ船企業「ハパックロイド」も同日、航行を3日間中止するとの方針を示していた。
紅海での商船襲撃は、イエメンに拠点がある反政府武装組織「フーシ」によるものとされ、軍事衝突が続くパレスチナ自治区ガザ地区へ支援物資を送るためイスラエルに圧力をかける手段と主張している。
親イランのフーシは、イスラエルへ向かう全ての船舶は「合法的な標的」とも言い切っている。
フーシによる紅海での商船攻撃に対しては米軍艦船が攻撃型ドローン(無人機)を迎撃するなどの対抗措置を講じている。中東を管轄する米中央軍によると、フーシは15日、商船2隻を攻撃。別の1隻も襲うと威嚇した。
この中で英国のシャップス国防相は16日、英海軍艦船が紅海で商船を狙った攻撃型ドローンとみられる飛行体を対空ミサイルで撃墜したとの声明を発表した。「最近相次ぐ違法な攻撃は紅海における国際貿易と海洋の安全保障へのあからさまな脅威」とし、英国は世界貿易の自由な流れを守るためこれら攻撃の撃退に関与し続けると強調した。